10人で二人暮らし

解離性同一性障害で9人の別人格をもった妻との生活のほんの一面を

人格が変わるとき

今回は、前回を公開後にTwitterで質問されたこと、あとは解離性同一性障害について、漫画などで表現されているものと実際の違いなど、体験談から書いていきます。

新しい人格についてはその後で。

 

まずは質問にあったこと。

「結婚したことに他の人格はどう思っているのか」

昨年末に入籍してからでてきた大人の人格は往々にして「この身体の主が結婚しただけで別に関係ない」といったスタンスです。

そこには、そもそも僕に対して恋愛感情を持っていないというのが大いに関係しています。恋愛感情を持たず一番好意的な人格Mに言わせれば「同志」

 

未成年の人格17歳のYは、いつか書くと思いますが、一応、恋人になるまでの過程を経ていました。なので、多少驚きはしましたが「初めての恋人と結婚」というその歳なら憧れるような経験をしているので、「新妻なのね」と喜んでいます。

 

9歳のY'は「よくわからないけど、家族の人」という認識のようです。

 

人格が変わるとき

日常で常に起こりうる人格交代

どの漫画などは申しませんが、よくある表現として、何かを引き金にコロッと人格が変わってしまうというものがあります。

すくなくとも、僕が彼女と1年近く一緒に暮らしていて、そういった経験はまずありません。

心理的ストレスの域値(域値の上下が激しいので推し量れないのが現状)近くになると、激しい頭痛を訴えます。

精神的なものなので、痛み止めなどはほとんど効果はないのですが、プラセボとして。

頭痛のみの事もあります。

頭痛が酷いと、昏倒してしまい数分のち「誰か」が現れます。

今のところ、雰囲気で見分けがつくのは僕だけです。最近は融合したり、新しい「誰か」なので、ぱっと誰か分からないことが多々あります。

 

状態も様々で、現状を全く理解してないまま出てくる場合。のぞき見していたり、コントロールしているMから教わったりして、現状を把握している場合。

そればっかりは、見た目ではわからないので、現状を知ってるか知らないのか教えてくれなければ、最低限それだけは聞くようにしています。

あと、その時彼女自身が訴えていた頭痛を出てきている誰かが引き受けているので、それに耐えられなかったら、また他の誰か。

短くて2時間くらいで、元の彼女に戻ります。だいたい頭痛も治まってます。

治まってないなら、ふりだしにもどる。昏倒するので待ちます。

面倒なときはMを名指しで呼ぶと出てくる事があります。風呂、トイレその他を任せたりします。あまりよくないことですが…

ご飯はなるべる本人が起きているときに。でないと、二重に食べることもしばしばあったので。

その間の記憶はもちろんありませんし、どの人格からも教えられることはないです。

以前、記憶と情報のある程度の共有のため交換日記をつけるようにそれぞれにお願いしたのですが、めんどくさがりの数人が止めてしまって、それっきりです。

 

医学書にはあまりない変化

人格変化には別パターンもあり、こちらが少々やっかいで、昏倒がなく、ゆっくりと誰かになっていくというもの。

彼女ではない「誰か」だけど、その「誰か」も自分のことがわからない状態。

僕も焦りますが、その「誰か」自身も混乱してるので、錯乱して攻撃的になる事があります。

友好的な人格だと問題はないのですが、最も危ないYuになるとどうしようもなくなってしまうので、なんとか落ち着かせる事が必要になります。

ゆっくり自分が誰かがわかると安定して、「誰か」との生活です。

補足として、なぜYuが危険かというと、各人格の中で最も反社会的な性格な上、分かっているだけで、人間の持つ筋力のおそらく100%近くを出すことができる能力があるからです。

Yuの能力がわかったエピソード

人格変化が出始めたのは昨年4月末。当時はまだRとSとEとYuの4人だけでした。とりあえず、別居していた彼女の母親のアパートに2カ月ほど暮らしていました。

僕は大学時代空手道部でした。格闘技ブームの真っ盛りでしたので、練習のあと、後輩たちと総合格闘技系の練習をやっていました。同じ武道場内にいた少林寺拳法の人も混じって投げと極めを素人に毛が生えた程度には使えるようになっていました。

19歳でやんちゃしたい盛りの男性人格Sは、気に入らないことがあると少し暴れることがありましが、暴れるといっても、本人は19歳の男性のつもりで、身体は154cm50kg以下。

そんな175cm70kgの僕と彼女がやり合っても”普通”なら勝負になりません。

当然Sのときに暴れても、腕を極めて引き倒して、落ち着くか誰かに変わるのを待つくらいですんでいました。

ある日、「誰か」の状態で、包丁を持って暴れ始め、なんとか包丁は離させたものの、いつもと違う雰囲気と力に戸惑いました。

総合格闘技がわからない人には申し訳ない表現になってしまうのですが、もみ合いの中で、こちらは左手首を極めかけてがっちりとカニばさみ状態のガードポジション。体を起こしてマウントポジションをとればなんとか取り押さえられるところで、Yuは無理矢理力で立ち上がり、そのまま僕は床に3回叩きつけられました。

プロの試合でもその方法をとれる人はまずほとんどいないと思います。

当然、ガードポジションは外れ、もみ合いの中、彼女の母に頼んで警察を呼んでもらい事なきを得ました。

わかりやすく例えるなら、軽自動車とRV車が正面衝突して、RV車のほうが突き飛ばされたようなものです。

次の日、主人格に戻った彼女は身動きが取れないほどの全身の筋肉痛を起こしていたので、人の持つ力が何故セーブされているか分かった気がしました。

あと、小手先の技は圧倒的な力の前には無力と思い知らされ、再び鍛え直そうと少林寺拳法の元師範代の知り合いに連絡を取っていましたが、その暇もなく今日に至ります。

最近はどうしてたか

最初のエントリをアップしたあと、現状で使える福祉サービスや社会保障を探したり書類を揃えたりするのに飛び回っていました。

彼女自身、元々PMSが少しキツイのもあって、2,3週間精神的に不安定な状態が続くことはしばしばありましたが、2月に入ってから明らかにおかしいと思っていたら、2月のほとんどを一緒に過ごしたのは新しい人格でした。MがAと名付けたので、今後現れるようなことが、Aとして書きます。

2月の間、睡眠不足と過労で倒れかけていましたが、Aからは一切フォローはなく、リビングでひたすらPCでゲーム、スマホ2つでゲーム、TVで海外ドラマが流れ、疲れたらそのままそこで寝るという生活で2月をほとんど過ごし、2月末に彼女に戻りました。

正直、もう死ぬんじゃないかと思い、ふとTwitterにpostしたのが

錯乱してますね。ただの七五調です。

2月の記憶はほとんどなく、1月が終わったと思ったら3月だったと彼女はいっていました。2月の間にAに切られた僕の髪の毛は前髪が愉快なことになっています。

3月も中旬を過ぎましたが、髪を切りに行く暇(隙?)はありません。

余談1

あと、ほんの20分ほどしか会ってないので不確かですが、彼女の12歳の人格(仮に「Y''」)にあったので、12人で二人暮らしに改めなければならなくなってきました。

余談2

解離性同一性障害をしってもらうためのブログをネットにアップしてるのにおかしな話ですが…

インターネットを長く使ってきた経験から逆にネットの情報より確実なものを得るため、大学時代の先生を頼って関係論文などの取り寄せを依頼していました。近くの図書館ではなかなか医学雑誌は扱ってないので…ちょっと現在勤めておられる大学図書館のシステム上の問題で4月まで取り寄せが出来ないとのこ とで、それを待っています。

10年さかのぼって日本で解離性同一性障害に関する論文は30件未満。とりあえずそれらを依頼しています。

大学紀要など、ネット上にPDFで無料公開されている4件は読みました。

本当は書きためてるものを、それらも参考にしつつ訂正しながら順次アップしていこうと思ったのですが、4月過ぎないと手に入らないので現状で問題ないであろうものをアップしました。

海外には専門雑誌があり、10年で絞ってもものすごい量になり、abstractを読むだけで骨なので、少しずつリストアップしてます。4月にならないと依頼できない上、英語の医学論文を読むのは10年以上ブランクがあるので、一朝一夕には…

 

ということで、質問などあればすぐ更新があるかもしれませんが、多分4月に入ってから多少内容のあるものが書けると思います。